書にいたる病

活字中毒者の読書記録

2021-06-23から1日間の記事一覧

『朱色の研究』有栖川有栖 | 【感想・ネタバレなし】人を狂わせる魔的な夕焼けが支配する。意外な犯人とそこに至る精緻なロジックに驚嘆する本格推理小説。

今回ご紹介するのは、 有栖川有栖『朱色の研究』です。 所謂「作家アリスシリーズ」 の長編で、1997年に刊行されたものです。 バブル崩壊直後の、あ~なんか不景気やな~、という落ち込んだ退廃的な雰囲気と、カミュ『異邦人』を思わせる世界の終わりのよう…