書にいたる病

活字中毒者の読書記録

冒険

『30センチの冒険』三崎亜記 | 【感想・ネタバレなし】30センチのものさしが世界と彼女を救う!哲学香る異世界ファンタジー

今日読んだのは、 三崎亜記『30センチの冒険』です。 主人公の男性が迷い込んだのは「大地の秩序」が乱れ、距離の概念がめちゃくちゃになった世界。 手には何故か白い「30センチのものさし」。 そして、その世界で出会った不思議な女性・エナ。 世界と彼女を…

『インドラネット』桐野夏生 | 【感想・ネタバレなし】卑小さを突き詰めた人間の切なさと東南アジアの深い闇が融合する現代の黙示録

今日読んだのは、桐野夏生『インドラネット』です。 政情不安が日常に根付くカンボジアを舞台に、コンプレックスの塊のような卑小な男が、人生のたった一つの光を切ないほど追い求めた成れの果てを見せられました。 異国情緒豊かな描写、濃ゆい登場人物、振…

『異類婚姻譚』本谷有希子 | 【感想・ネタバレなし】夫婦という名のぬらぬらした生き物が日常の浅瀬をうごめく

今回ご紹介するのは、本谷有希子『異類婚姻譚』です。 「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた」専業主婦の日々を軽妙なタッチで描いた話です。 結婚してまだ日が浅い身からすると、「夫婦」という名のもとにぐちゃぐちゃと混…

『白鯨 MOBY-DICK』夢枕獏 | 【感想・ネタバレなし】ジョン万次郎が拾われた船が"あの船"だったら…史実と文学、歴史と虚構が交錯する巨編

夢枕獏『白鯨 MOBY-DICK』のあらすじと読書感想を紹介します。史実と文学が奇跡のように融合する巨編。著者のストーリーテラーとしての凄まじい才能を再認識する一冊です。

『ハイパーハードボイルドグルメリポート』上出遼平 | 【感想】衝撃の深夜グルメ番組の書籍版・食を追うことで見える咀嚼できない圧倒的現実

上出遼平『ハイパーハードボイルドグルメリポート』のあらすじと読書感想を紹介します。撃の深夜グルメ番組の書籍版、食を追うことで見える咀嚼できない圧倒的現実に胸打たれます。

『錆びた太陽』恩田陸 | 【感想・ネタバレなし】直木賞受賞後第1作 放射能汚染地域を巡回するロボットが目撃する人間の姿とは

恩田陸『錆びた太陽』のあらすじと読書感想を紹介します。