家族
今日読んだのは、梨木香歩『沼地のある森を抜けて』です。 叔母から受け継いだ先祖伝来の「ぬか床」という庶民的(?)なスタートから、途中不一気に不穏な雰囲気になり、最終的に、命のはるかな旅路と新しい生命に託された可能性と夢が描かれるという、壮大…
今日読んだのは、荻原規子『エチュード春一番 第二曲 三日月のボレロ』です。 八百万の神の一柱を名乗る白黒のパピヨン・”モノクロ”と同居する女子大生・美綾の生活を描いたファンタジーシリーズの第2巻です。 1巻の感想はこちら↓ rukoo.hatenablog.com 1巻…
今日読んだのは、神野紗希『もう泣かない電気毛布は裏切らない』です。 1983年生まれの現代に生きる女性であり、妻であり母であり、俳人でもある著者がどのように日々を綴るかに興味を惹かれ、読み始めました。 結婚、夫との日々、幼い息子の眼差し、俳句へ…
今日読んだのは、 西加奈子『i』です。 「この世界にアイは存在しません。」 アメリカ人の父と日本人の母との間に養子として育てられたアイは、その繊細さと聡明さで、自分の”恵まれた”境遇に罪悪感を抱きながら育ちます。 世界中で沢山の人が苦しく辛い思い…
今日読んだのは、 下村敦史『闇に香る嘘』です。 第60回江戸川乱歩賞受賞作のこちら。著者の下村敦史さんは9年間同賞に応募し続け、5度最終候補に残り落選を経験した先にやっと勝ち取った受賞だそうです。 この経歴だけでも尊敬してしまいます。 中国残留孤…
今日読んだのは、 西加奈子『漁港の肉子ちゃん』です。 インパクトのある題名に随分前から気になっていたのですが、なんとなく暗い話な気がして避けていました。 そんなとき、明石家さんまさんプロデュースでアニメ映画化する、という話を聞いて、これは暗い…
今日読んだのは、吉本ばなな『アムリタ』です。 何かのあとがきで、著者自身はこの作品をあまり気に入っていないというようなことを書いていた記憶があるのですが、私はすごく気に入りました。 母親が離婚したり、父親の違う弟がいたり、妹が自殺したり、階…
今回ご紹介するのは、本谷有希子『異類婚姻譚』です。 「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた」専業主婦の日々を軽妙なタッチで描いた話です。 結婚してまだ日が浅い身からすると、「夫婦」という名のもとにぐちゃぐちゃと混…
今回ご紹介するのは、柳美里『JR高田馬場駅戸山口 (河出文庫)』です。 2020年度全米図書賞(National Book Awards 2020)の翻訳部門を受賞した『JR上野駅公園口』が連なる山手線シリーズの一作です。 そちらの感想はこちら↓ rukoo.hatenablog.com 本書は2012…
今回ご紹介するのは、柳美里『JR品川駅高輪口 (河出文庫)』です。 2020年度全米図書賞(National Book Awards 2020)の翻訳部門を受賞した『JR上野駅公園口』が連なる山手線シリーズの一作です。 そちらの感想はこちら↓ rukoo.hatenablog.com 本書は2011年に…
今回ご紹介するのは、古内一絵『さよならの夜食カフェ-マカン・マラン おしまい (単行本)』です。 おしまい、ということは、もうこれがシリーズ最終作となるということですね。 ちょっと残念です。 でも、これまでのシャールさんに掬い上げられてきた各話の…
今回ご紹介するのは、柳美里『JR上野駅公園口 (河出文庫)』 です。 2020年度全米図書賞(National Book Awards 2020)の翻訳部門を受賞した作品です。 日本の歴史の影を具現化したかのような一人の男の生涯を、漂泊する魂の独白と雑踏から聞こえる無数の声に…
今日読んだのは、綾崎隼『盤上に君はもういない』です。 史上初の女性プロ棋士を目指す二人の女性の熱い闘いとその裏に隠された切ない過去を描いた小説です。 "女流棋士"と"女性プロ棋士"は全く違うということを、今作で、はじめて知りました。 男女関係なく…
今日読んだのは、4人の直木賞作家のアンソロジー 『チーズと塩と豆と』です。 著者は、角田光代、井上荒野、森絵都、江國香織という錚々たる面々。 角田光代は、スペインのバスク。 井上荒野は、イタリアのピエモンテ。 森絵都は、フランスのブルターニュ。 …
千早茜『ひきなみ』のあらすじと読書感想を紹介します。2人の少女の深い繋がりと、それがもたらす痛み。生きることの苦しみの果てに残る光が、新しい道をひらく。
神林長平『オーバーロードの街』のあらすじと読書感想を紹介します。地球の意思が人間に告げる、人間よ、人間であることをやめよ。そして大災厄が訪れる。
桜庭一樹『ファミリーポートレイト』のあらすじと読書感想を紹介します。最後のシーンは、この世の母と娘の幸福な、そして失われた一瞬の時間に、祈りを捧げたくなるものでした。
中島京子『夢見る帝国図書館』のあらすじと読書感想を紹介します。戦後を生きた女性の数奇な人生と、日本ではじめての図書館の時局に翻弄された歴史が響き合い力強い物語となって読者い響きます。
瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』のあらすじと読書感想を紹介します。親になることは、明日が二つになること、というセリフが印象的。
深緑野分『この本を盗む者は』のあらすじと読書感想を紹介します。本にまつわる不可思議な呪いを描く、2021年本屋大賞では10位の快作。
江國香織『神様のボート 』のあらすじと読書感想を紹介します。母と娘の幸せな時間とそれが終わるまでの長い旅路を静かに描く物語です。
阿津川辰海『蒼海館の殺人』のあらすじと読書感想を紹介します。前作『紅蓮館の殺人』を上回る精緻なミステリに耽溺しました。
梨木香歩『雪と珊瑚と』のあらすじと読書感想を紹介します。一人の女性が困難な生い立ちのなかから生き方を切り開いていく様を描く強い一冊です。
小川洋子『シュガータイム』のあらすじと読書感想を紹介します。青春最後の透明で甘い日々が端整に描かれます。
寺地はるな『月のぶどう』のあらすじと読書感想を紹介します。
恩田陸『クレオパトラの夢』神原恵弥シリーズ第2作目のあらすじと読書感想を紹介します。
佐藤究『Ank : a mirroring ape』のあらすじと読書感想を紹介します。
アネッテ・ヘス『レストラン「ドイツ亭」』 のあらすじと読書感想を紹介します。
『あなたの人生、片づけます』垣谷美雨のあらすじと読書感想を紹介します。部屋を片付けたくなる小説です。
宇佐美りん『推し、燃ゆ』のあらすじと読書感想を紹介します。人のように上手くできない、と一度でも思ったことのある人は刺さる作品です。