書にいたる病

ものがたり大好き主婦の読書記録

『鏡のなかのアジア』谷崎由依 | 【感想・ネタバレなし】チベット、台湾、京都、インド、クアラルンプール、幻想と現実のアジアを言葉の魔力が繋ぐ

今日読んだのは、 谷崎由依『鏡のなかのアジア』です。 チベット、台湾、京都、コーチン、クアラルンプール、アジアの土地を舞台とした5つの短編が収録されています。 どの物語もアジアのそれぞれの都市の空気が匂いたつようで、幻想と現実の間でくらくらす…

『バラカ』桐野夏生 | 【感想・ネタバレなし】大震災後の世界をさまよう少女の数奇な運命が圧倒的な疾走感と重量で描かれる

今日読んだのは、 桐野夏生『バラカ』です。 ポスト3.11文学の極北と言って過言ではない巨編でした。 被爆地に突如降臨した少女・バラカ。 彼女の数奇な運命の遍歴と、人々の欲望と弱さのグロテスクさ。 また、全編の根底に流れるミソジニーの根深さにゾッと…

『インドラネット』桐野夏生 | 【感想・ネタバレなし】卑小さを突き詰めた人間の切なさと東南アジアの深い闇が融合する現代の黙示録

今日読んだのは、桐野夏生『インドラネット』です。 政情不安が日常に根付くカンボジアを舞台に、コンプレックスの塊のような卑小な男が、人生のたった一つの光を切ないほど追い求めた成れの果てを見せられました。 異国情緒豊かな描写、濃ゆい登場人物、振…

『朱色の研究』有栖川有栖 | 【感想・ネタバレなし】人を狂わせる魔的な夕焼けが支配する。意外な犯人とそこに至る精緻なロジックに驚嘆する本格推理小説。

今回ご紹介するのは、 有栖川有栖『朱色の研究』です。 所謂「作家アリスシリーズ」 の長編で、1997年に刊行されたものです。 バブル崩壊直後の、あ~なんか不景気やな~、という落ち込んだ退廃的な雰囲気と、カミュ『異邦人』を思わせる世界の終わりのよう…

『チーズと塩と豆と』角田光代、井上荒野、森絵都、江國香織 | 【感想】4人の直木賞作家がヨーロッパンの都市を舞台に描く愛と味覚のアンソロジー

今回ご紹介するのは、4人の直木賞作家のアンソロジー 『チーズと塩と豆と』です。 著者は、角田光代、井上荒野、森絵都、江國香織という錚々たる面々。 角田光代は、スペインのバスク。 井上荒野は、イタリアのピエモンテ。 森絵都は、フランスのブルターニ…

『物語を忘れた外国語』黒田龍之助 | 【感想】物語と言語との間を自由に飛び回る著者の遊戯三昧の読書記

黒田龍之助『物語を忘れた外国語』のあらすじと読書感想を紹介します。まるで目の前で喋ってくれているかのようなユーモラスな口調で語られる、自由で豊かな物語と言語との関係。

『ハイパーハードボイルドグルメリポート』上出遼平 | 【感想】衝撃の深夜グルメ番組の書籍版・食を追うことで見える咀嚼できない圧倒的現実

上出遼平『ハイパーハードボイルドグルメリポート』のあらすじと読書感想を紹介します。撃の深夜グルメ番組の書籍版、食を追うことで見える咀嚼できない圧倒的現実に胸打たれます。

『ブラック・ベルベット』神原恵弥シリーズ第3作目 恩田陸 | 【感想・ネタバレなし】増殖する謎と巧みな伏線回収が魅せる巧みなストーリー

恩田陸『ブラック・ベルベット』神原恵弥シリーズ第3作目のあらすじと読書感想を紹介します。

『クレオパトラの夢』神原恵弥シリーズ第2作目 恩田陸 | 【感想・ネタバレなし】北の大地で繰り広げられる人間劇と秘められた禁忌とは

恩田陸『クレオパトラの夢』神原恵弥シリーズ第2作目のあらすじと読書感想を紹介します。

『MAZE』神原恵弥シリーズ第1作目 恩田陸 | 【感想・ネタバレなし】迷路に迷い込むように不可思議な土地に惑わされる

恩田陸『MAZE』神原恵弥シリーズ第1作目のあらすじと読書感想を紹介します。

『針がとぶ - Goodbye Porkpie Hat』吉田篤弘 | 【感想』密やかな宝箱を開くような珠玉の連作短編

『針がとぶ - Goodbye Porkpie Hat』吉田篤弘のあらすじと読書感想を紹介します。眠れない夜に寄り添ってくれる本です。

『愛と憎しみの豚』中村安希 | 【感想】希代のノンフィクション作家が追う豚を取り巻く文化と歴史

『愛と憎しみの豚』中村安希のあらすじと読書感想を紹介します。豚とは一体なんなのか、単純な問いから発見される新しい世界の見え方に感嘆する一冊です。

『インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸 684日』中村安希 | 【感想】26歳、清冽な筆が描く47か国2年の旅

『インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸 684日』中村安希の読書感想を書きました。日々に息苦しさに爽快感を与える一冊です。

『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』若林正恭 | 【感想】著者が見るキューバ・モンゴル・アイスランド

『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』若林正恭のあらすじと読書感想を紹介します。笑いあり涙ありの一読の価値ある名作エッセイです。

『最後に手にしたいもの』吉田修一 | 【感想】旅に出よう、最後に手にしたいものを見に行こう

『最後に手にしたいもの』吉田修一のあらすじと読書感想を紹介します。吉田修一氏に興味のある方、旅行に行った気分にを味わいたい方、映画の制作秘話に興味がある方、最近本を読む体力がないけどエッセイくらいなら、という方におすすめです。

『ピスタチオ』梨木香歩 | 【感想】アフリカの水と風が香る、死者のための物語を探す旅へ

『ピタチオ』梨木香歩のあらすじと読書感想を紹介します。 落ち着いた大人の物語、風や緑など自然を感じるお話が読みたい方におすすめです。