書にいたる病

ものがたり大好き主婦の読書記録

短編集

『鏡のなかのアジア』谷崎由依 | 【感想・ネタバレなし】チベット、台湾、京都、インド、クアラルンプール、幻想と現実のアジアを言葉の魔力が繋ぐ

今日読んだのは、 谷崎由依『鏡のなかのアジア』です。 チベット、台湾、京都、コーチン、クアラルンプール、アジアの土地を舞台とした5つの短編が収録されています。 どの物語もアジアのそれぞれの都市の空気が匂いたつようで、幻想と現実の間でくらくらす…

『奴隷小説』桐野夏生 | 【感想・ネタバレなし】「私たちは、泥に囲まれた島に囚われている」、異様な想像力が構築する”奴隷たる者”の世界

今日読んだのは、 桐野夏生『奴隷小説』です。 「奴隷的状況」を題材とした短編を集めた作品集で、身体的にまたは精神的に束縛され、自由を奪われた人々の姿が豊穣な想像力の世界で立ち現れます。 本書を読むことで、奴隷であるとはどういうことは、翻って、…

『ロシア紅茶の謎』有栖川有栖 |【感想・ネタバレなし】国名シリーズ第1作品集。毒殺された作詞家のカップに毒を入れた驚くべきトリックとは

今日読んだのは、有栖川有栖『ロシア紅茶の謎』です。 1994年刊行で、エラリー・クイーンにならった”国名シリーズ”の第1作品集にあたります。 時代は感じさせるものの、今読んでも粒ぞろいの作品で、本格ミステリ好きには素敵なお菓子箱のような作品集です。…

『菩提樹荘の殺人』有栖川有栖 | 【感想・ネタバレなし】〈若さ〉がもたらす光と闇を書き分ける四つの短編。火村の学生時代のある事件も明かされる

今日読んだのは、 有栖川有栖『菩提樹荘の殺人』です。 2013年に刊行された「作家アリスシリーズ」の長編です あとがきによると、 本書に収録した四編には、〈若さ〉という共通のモチーフがある。 探偵役の火村の学生時代や、有栖の高校生時代の思い出などが…

『スイス時計の謎』有栖川有栖 | 【感想・ネタバレなし】論理パズルのような悪魔的推理が暴露する青春時代に男たちが立てた熱い誓い

今日読んだのは、有栖川有栖『スイス時計の謎 (講談社文庫)』です。 所謂「作家アリスシリーズ」の短編集で、刊行は2003年です。 表題作となっている「スイス時計の謎」は、推理小説というより論理パズルのようで、詐欺師の騙されているのに反論できないよう…

『きまぐれな夜食カフェ - マカン・マラン みたび』古内一絵 | 【感想・ネタバレなし】マカン・マランシリーズ第3作。あのシャールさんがはじめて料理を分け与えない相手が登場

今回ご紹介するのは、古内一絵『きまぐれな夜食カフェ - マカン・マラン みたび (単行本)』です。 大人気の「マカン・マランシリーズ」の第3弾! マカン・マランはインドネシア語で「夜食」の意味。 ドラァッグクイーンのシャールさんが営む夜食カフェ「マカ…

『女王さまの夜食カフェ - マカン・マラン ふたたび』古内一絵 | 【感想・ネタバレなし】マカン・マランシリーズ第2作。戻ってきたシャールさんの小さな美味しい魔法

今回ご紹介するのは、古内一絵『女王さまの夜食カフェ - マカン・マラン ふたたび』です。 大人気の「マカン・マランシリーズ」の第2弾! 第1作の感想はこちら↓ rukoo.hatenablog.com マカン・マランはインドネシア語で「夜食」の意味。 ドラァッグクイーン…

『マカン・マラン - 二十三時の夜食カフェ』古内一絵 | 【感想・ネタバレなし】マカン・マランシリーズ第1作。ドラッグクイーンのつくる優しい料理が心に美味しい

今回ご紹介するのは、 古内 一絵『マカン・マラン - 二十三時の夜食カフェ』です。 マカン・マランはインドネシア語で「夜食」の意味。 ドラッグ・クイーンのシャールさんが営む夜食カフェと、そこに訪れる人々を描いた連作短編集です。 シャールさんのつく…

『チーズと塩と豆と』角田光代、井上荒野、森絵都、江國香織 | 【感想】4人の直木賞作家がヨーロッパンの都市を舞台に描く愛と味覚のアンソロジー

今回ご紹介するのは、4人の直木賞作家のアンソロジー 『チーズと塩と豆と』です。 著者は、角田光代、井上荒野、森絵都、江國香織という錚々たる面々。 角田光代は、スペインのバスク。 井上荒野は、イタリアのピエモンテ。 森絵都は、フランスのブルターニ…

『むかしむかしあるところに、死体がありました。』青柳碧人 | 【感想・ネタバレなし】日本昔ばなし×本格ミステリ、あの童話でミステリが書けるなんて!

青柳碧人『むかしむかしあるところに、死体がありました。』のあらすじと読書感想を紹介します。ポップな題材と本格ミステリの見事な融合が楽しめます。

『西洋菓子店プティ・フール』千早茜 | 【感想】日常は甘いことだけじゃない、でも、スイーツはいつも寄り添ってくれる

千早茜『西洋菓子店プティ・フール』のあらすじと感想を紹介します。スイーツをめぐる、甘く酸っぱく、ときにほろ苦い人間模様を六つの連作短編が描きます。

『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信 | 【感想・ネタバレなし】最後の一行が密やかな衝撃をもたらす、物語の夢想に魅せられた全ての者に贈られる連作ミステリ

米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』のあらすじと読書感想を紹介します。最後の一文がもたらす衝撃にこだわった連作ミステリ。いつしか、密やかで罪深い世界に引きこまれる。

『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』青柳碧人 | 【感想・ネタバレなし】赤ずきんが探偵の異色の童話×ミステリ、ねえ、あなたの犯罪計画は、どうしてそんな杜撰なの?

青柳碧人『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』のあらすじと読書感想を紹介します。「ねえ、あなたの犯罪計画は、どうしてそんな杜撰なの?」

『ハロー・ワールド』藤井太洋 | 【感想】テクノロジーが創る未来を明るい確信で描く短編集

藤井太洋『ハロー・ワールド』のあらすじと読書感想を紹介します。インターネットの検閲、ドローン、仮想通貨を巡るエンジニア・文椎の熱い闘いと未来への明るい眼差しを描く。

『かきがら』小池昌代 | 【感想】かきがら、がらがら。ざらざらとした言葉と生命の生温かい手触り

小池昌代『かきがら』のあらすじと読書感想を紹介します。美しい装丁にも注目したい1冊です。

『あなたの人生、片づけます』垣谷美雨 | 【感想・ネタバレ】汚部屋の住人にも人生がある、片付け屋・大葉十萬里が教える人生の片づけ方

『あなたの人生、片づけます』垣谷美雨のあらすじと読書感想を紹介します。部屋を片付けたくなる小説です。

『gift』古川日出男 | 【感想】小説界の鬼才がそっと贈る物語の源泉、通り過ぎる小さな奇蹟を鮮烈に記録した掌編集

古川日出男『gift』のあらすじと読書感想を紹介します。通り過ぎる小さな奇蹟を鮮烈に記録した掌編集です。

『ルート350』古川日出男 | 【感想】レプリカと現実の間を疾走する短編集

古川日出男『ルート350』のあらすじと読書感想を紹介します。 エンターテイメント小説と純文学の幸福な融合が見られます。

『針がとぶ - Goodbye Porkpie Hat』吉田篤弘 | 【感想』密やかな宝箱を開くような珠玉の連作短編

『針がとぶ - Goodbye Porkpie Hat』吉田篤弘のあらすじと読書感想を紹介します。眠れない夜に寄り添ってくれる本です。