『本にまつわる世界のことば』物語と本にまつわる世界中の言葉をあつめた大人の絵本
今日読んだのは、絵本『本にまつわる世界のことば』です。
本、読書、詩、言葉に関する世界中の慣用句やことわざが集められ、更にその表現にまるわるショートストーリーやエッセイが付記された贅沢で美しい大人のための絵本です。
積ん読"tsundoku"
知らなかったのですが、「積ん読」ということばは英語圏でも市民権を得ているようです。
日本語だと「積ん読」という見事な言葉遊びが挙げられるでしょうか。英語にも"
bibliomania "をはじめとして、何かと本を買ってため込んでしまう人や行動を指すことばはいくつもありますが、「積ん読」には独特の魅力があるようです。21世紀に入って英語圏にデビューした"tsundoku"ということばは、読書好きのあいだで人気の表現となりつつあります。 (著者代表、藤井光の序文より)
確かに、独特の魅力のある言葉で私もTwitter等でよく使っています。
読むスピード以上に本を買ってしまう人種は世界中にいるということですね。
なんだか嬉しいです。
ペルシア語・アラビア語の多さ
ペルシア語、アラビア語の言い回しや慣用句の多さが目立ちました。
さすが千夜一夜物語の国だからでしょうか。
「ナズム」アラビア語
詩をつくること、試作。本来は「(真珠などに)糸をとおすこと」の意
真珠に糸をとおす、ことを詩を紡ぐ様子になぞらえるなんて、なんてロマンチック!
本の虫
本の虫を指す言葉は世界中にあることもクスリとさせられました。
チェコ語では、この"虫"は蛾の一種を意味し、フランス語では「ラ・ド・ビブリオテーク(図書館のネズミ)」だそうです。
蛾!?
虫(紙魚とか)とネズミは、人の見ていないところでチマチマ何かを齧っているイメージが本をチマチマ読んでいるイメージと重なるのですが、蛾はなんだかちょっと不思議です。
ちなみにロシア語では、「ブクヴォエード」直訳で「文字を食べる」だそうです。
こちらはまさにそのまんまですね。
悪い冗談のような言葉
え?そんなのあるの?と一番驚いたのが、こちら。
「百部図書」ペップドソ [韓国語]
「百部図書」は朝鮮民主主義人民共和国で実際に行われている制度。
日本を含む世界各国の小説を翻訳させて百部だけ印刷し、
創作の参考のために作家同盟の作家に回覧させるもの。
脱北してきた作家たちによってその実態が明らかになりつつある。
それこそ何かのディストピア文学の設定のようです。
これが現実にある言葉だと考えると悪い冗談のように思えます。
そもそも"作家同盟"という団体?組織も謎に満ちています。
一度、"作家同盟"とやらが”百部図書”を参考に創作した小説を読んでみたいものです。
なんかすごい面白そう……。
今回ご紹介した本はこちら
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