書にいたる病

活字中毒者の読書記録

海外文学

『ブラッド・ブラザー』ジャック・カーリイ | 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第4作。あふれる魅力と高い知能を持つ殺人鬼、それが僕の兄

今日読んだのは、ジャック・カーリイ『ブラッド・ブラザー』です。 シリアルキラーを兄に持つ若き刑事・カーソン・ライダーの活躍を描いたシリーズ4作目です。 前作『毒蛇の園』ではなりを潜めていた兄・ジェレミーが大活躍します。 また、本拠地モビール市…

『毒蛇の園』ジャック・カーリイ | 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第3作。謎めいた富豪一族の周囲に積み重なる死体の山とおぞましい秘密

今日読んだのは、ジャック・カーリイ『毒蛇の園』です。 シリアルキラーを兄に持つ若き刑事・カーソン・ライダーの活躍を描いたシリーズ3作目です。 といっても、今作ではシリアルキラーに兄・ジェレミーは登場しませんでした~。 ただ、エンタメ小説として…

『デス・コレクターズ』ジャック・カーリイ | 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第2作。人間の底知れない欲望が招くおぞましい真相とは

今日読んだのは、ジャック・カーリイ『デス・コレクターズ』です。 シリアルキラーを兄に持つ若き刑事・カーソン・ライダーの活躍を描いたシリーズ2作目です。 海外刑事ドラマを見ているかのような映像を感じさせる描写と、殺人鬼の兄に助言を求めに行く、と…

『百番目の男』ジャック・カーリイ | 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第1作。暗闇で手探りする”百番目の男”が首なし死体の謎に挑む

今日読んだのは、ジャック・カーリイ『百番目の男』です。 若き刑事カーソン・ライダーの活躍を描いたクライム・サスペンスです。 恋愛あり、アクションあり、暗い過去あり、の息も尽かせぬスピード感に、巧みな伏線と思いもよらない(でもフェアな)真犯人…

『ミシンの見る夢』ビアンカ・ピッツォルノ | 【感想・ネタバレなし】お針子の少女が垣間見る上流階級の秘密と真実。”縫う”という技術一つで力強く生きる女性の姿を描く。

今回ご紹介するのは、ビアンカ・ピッツォルノ『ミシンの見る夢』 です。 著者のビアンカ・ピッツォルノはイタリアの児童文学の第1人者で、大人向けの作品は本書で3作目とのことです。 そのせいか、”19世紀末のイタリア”という異世界を描いた作品ながら、その…

『台北プライベートアイ』紀蔚然 | 【感想・ネタバレなし】台湾発のハードボイルド探偵が連続殺人事件を追いかける。この面白さは読まないと分からない!

今回ご紹介するのは、紀蔚然『台北プライベートアイ』です。 原題は『私家偵探』。 台湾人が書く私立探偵小説なんて、面白そうな予感しかしない!とビビっときて、そのまま夢中になって一気に読み上げました。 ジャンルを問われれば、”ハードボイルド”としか…

『ミカンの味』チョ・ナムジュ |【感想・ネタバレなし】「82年生まれ、キム・ジヨン」の著者の新作! 枝から切り取られた後も、自ら熟す青い果実たちの日々

今日読んだのは、チョ・ナムジュ『ミカンの味』です。 食や文化などあらゆる流行が韓国から流れて生きているように感じますが、文学でもそ傾向が近年強くなったと感じます。 著者のチョ・ナムジュは、『82年生まれ、キム・ジヨン』が大ベストセラーとなって…

『白鯨 MOBY-DICK』夢枕獏 | 【感想・ネタバレなし】ジョン万次郎が拾われた船が"あの船"だったら…史実と文学、歴史と虚構が交錯する巨編

夢枕獏『白鯨 MOBY-DICK』のあらすじと読書感想を紹介します。史実と文学が奇跡のように融合する巨編。著者のストーリーテラーとしての凄まじい才能を再認識する一冊です。

『輝ける鼻のどんぐ』エドワード ・リア(文)、エドワード ・ゴーリー(絵) | 【感想】恋の闇路を独り行く、輝ける鼻を持ち男のナンセンスで哀切な物語

絵本『輝ける鼻のどんぐ』のあらすじと読書感想を紹介します。恋の狂気を孤独に歩む男と、ゴーリーの精密な線画が格調高い文学性を感じさせる大人のための絵本です。

『レストラン「ドイツ亭」』アネッテ・ヘス | 【感想】平凡な家庭が向き合うポストアウシュヴィッツの世界

アネッテ・ヘス『レストラン「ドイツ亭」』 のあらすじと読書感想を紹介します。